鍋島焼とは

肥前磁器の様式は、柿右衛門様式、古伊万里様式、鍋島様式 の3つに分けることができます。そのなかで、17世紀~19世紀にかけて鍋島藩(佐賀県)において藩直営の窯(伊万里市大川内山)で焼かれた高級磁器を鍋島焼といいます。

日本で唯一の藩窯(藩直営の窯)は、職人達の身分が保障される代わりに、製品の質の確保と製造技術の漏洩防止のため、厳しい藩の統制下に置かれていました。おもに藩主の所用品や 将軍家、天皇家、諸大名などへの献上品などを 製造し、民間への流出を厳しく禁じていました。

作品の特徴は実用品として製作されたため圧倒的に食器が多くなかでも、5寸、7寸、尺 と規格の定まった木盃形の皿が多く作られました。変形の皿、猪口などもあります。鍋島様式の図柄はいずれも計算され(余白の使い方、連続する文様など)洗練されており 染付け(下絵具)、赤、黄、緑 (上絵具)で文様が描かれています。その他に青磁などの作品もあります。